1 ……トレーンから発車


CANNONBALL &
COLTRANE

(ts)JHON COLTRANE
(as)CANNONBALL ADDERLEY
(p)WYNTON KELLY
(b)PAUL CHAMBERS
(ds)JIMMY COBB

LIMELIGHT

まずはトイトレンだからジョン・コルトレーンだ。
発音は似ているけどスペルはTRAINとTRANEなのでちょっと違う。
通称トレーンと言われているからまあいいか。
それでもレコードジャケットに蒸機機関車が出てくるものはある。
キャノンボール・アダレイとの2本のサックスの
マイルス親分抜きで緊張感なしのリラックスしたアルバム。
キャノンボールだから「大砲」、
トレーンだから「蒸機機関車」のイラストがジャケットに描かれている。

当然バックはマイルスのリズムセクション。
ジーン・アモンズ&ソニー・スティットや
アル・コーン&ズート・シムズの2本テナーバトルのような
楽しい演奏が繰り広げられる。
ピアノのウイントン・ケリーもアドリブ口ずさみながら弾いている。


SOUL TRANE
(ts)JHON COLTRANE
(p)RED GARLAND
(b)PAUL CHAMBERS
(ds)ARTER TAYLAR

PRESTIGE


コルトレーンには「○○○トレーン」というアルバムがある。
左は SOUL TRANE
BLUE TRANE というアルバムもあったはず。
ロングラン客車寝台特急の代名詞「ブルートレイン」と似てる。
ブルートレインは20系客車が「あさかぜ」としてデビュー
現在ではロングラン客車寝台特急の代名詞は「北斗星」かな。
話を SOUL TRANE に戻すと、
アルバム最後のRUSSIAN LULLABYがお気に入り。
後にシーツオブサウンズと呼ばれた
コルトレーンの演奏の特長を感じさせる曲。
レッド・ガーランドのピアノがゆっくりテーマを奏で、
そのあと急テンポになって、一気にアドリブに突入する。


GIANT STEPS
(ts)JOHN COLTRANE
(p)TOMMY FLANAGAN
(b)PAUL CHAMBERS
(ds)ARTER TAYLAR
*ON NAIMA
(p)WYNTON KELLY
(ds)JIMMY COBB
ATLANTIC


ジョン・コルトレーンと言えば、インパルスの一連のアルバムが有名。
黄金のクインテットと呼ばれたメンバーで次々とアルバムを出した。
ただ、私はどうもインパルスの一連のアルバムは好きになれない。
「至上の愛」などという“ラブトュープリーム”の連呼のアルバムを
初めに聴いた先入観もあるのかもしれない。
ある時気が付いたのだが、どうやら私はピアノの
マッコイ・タイナーのプレイが好きではないようだ。
独特の強いコードで弾いて、
ときどきメロディを奏でるタイプは私にはダメみたい。
白人ピアニストでは、デイブ・ブルーベックがこのタイプかな。
ポール・デスモンドのアルト・サックスは好きなんだけど。

私が最も好きなコルトレーンのアルバムは「GIANT STEPS」。
すべてコルトレーンのオリジナルのアルバムで
ネイマやミスター・PCのように
他のミュージシャンが好んで演奏する曲も入っている。
これが好きなのは、ピアノがトミー・フラナガンであることも
かなりの比重を占めていると思う。
名伴奏者というか、名脇役というか、目立たないけど
結構名盤といわれているアルバムのピアノを弾いている人だ。

いろいろ好きなことを書いたけど、
残念ながらコルトレーンの生の演奏は聴いていないので
あまり大きなことは言えないなっ。
ビデオや、最近NHK教育で放送されたものしか見ていない。



《BACK》

 
2 ……Night Train From Snekkersten


DUKE JORDAN TRIO
LIVE IN JAPAN

(p)DUKE JORDAN
(b)WILBUR LITTLE
(ds)ROY HAYNES
1976.9.20 福岡
Steeple Chase






DUKE JORDAN TRIO
OSAKA CONCERT Vol.1
(p)DUKE JORDAN
(b)WILBUR LITTLE
(ds)ROY HAYNES
1976.9.22 大阪
Steeple Chase

デューク・ジョーダンがトリオで初来日したときの
福岡での2枚組ライブアルバムに
Night Train From Snekkersten という曲がが収録されている。

ジョードゥや危険な関係のブルースなど、
独特の哀愁を持った曲の作者でもあり、ピアニストでもある
デューク・ジョーダンがトリオで初来日するというので出かけた。
中野サンプラザの初日のコンサートだったと思う。
デューク・ジョーダンのピアノはメロディアスなアドリブと
左右の手のバランスが良いのが特長かな。
ジャケットから想像すると何か恐そうなイメージを持って出かけたが
全く逆の、人のいいというか偉ぶった様子の全くない人で
その演奏とともに好きになってしまった。
危険な関係のブルースの作曲などで騙されて金銭的に恵まれなかったのが
わかるような気がした。

福岡でのライブアルバムは来日してから数日後のもので
中野サンプラザでの初日の演奏よりデキがいい。
日本に慣れたのか、トリオとしてのユニットとしてのまとまりがあり、
なにより初日よりリラックスしている。
福岡の2日後の大阪でのコンサートもCDでのみ発売された。
私は早速購入。Vol.2も発売されたはず。
CDプレイヤーを持っていなかったが、どうしても聞きたくので
カセットテープに録音させてもらって聞いた。

このユニットがいいのはドラムのロイ・ヘインズにあると思う。
オーネット・コールマンとフリージャズを経験した巾の広いドラマーで
ややもすると情緒に流れるジョーダンのピアノを後ろから鼓舞していた。
ソロを叩きたくてしょうがないようで、さかんにジョーダンに
催促をしていたのを覚えている。
ベースのウィルバー・リトルはトミーフラナガンの名作と言われている
「オーバー・シーズ」に参加している。
派手さはないが手堅いタイプで、ソロの特長はピッチカート。

確か、来日メンバーでスタジオ録音もされてSHINKANSENという曲を
ジョーダンは書いたはずだが、発売されていないと思う。
知っている方はいますか?。
いずれにしてジョーダンはTRAINが好きなのかな。


FLANAGAN TRIO
OVERSEAS
(p)TOMMY FLANAGAN
(b)WILBUR LITTLE
(ds)ELVIN JONES
METRONOME


ジョン・コルトレーンとデューク・ジョーダンで
トミー・フラナガンの話が出たので「オーバー・シーズ」を。
JJジョンソンのグループに参加しいるときにストックホルムで録音。

彼は歴史的レコーディングに参加している。
マイルスのオールスターズ、ロリンズの・モリタート、
そしてコルトレーンのGステップス。
この人も余り前に出るタイプの人ではなく、
一時はエラ・フィッツジラルドの伴奏をしていた。

このアルバムも名作といわれるのも、
ドラムのエルビン・ジョーンズによるところが大きいと思っている。
リズムを刻むだけのドラマーではなく、
後ろからプッシュするタイプのドラマーの方が、
ジョーダンやフラナガンのタイプのピアニストには良いかなっと。
人間関係だって、同じタイプの仲間だと仲良しクラブになってしまって、
ちょっとアクの強い、自分を前面に出す人が一人いるとグループが
活性化するっ、と。



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3 …… ORENGE EXPRESS


ORENGE EXPRESS
SADAO WATANABE

CBS SONY






MORNING ISLAND
SADAO WATANABE

FLYING DISK

ずっとジャズシーンの第一線で活躍している渡辺貞夫のアルバムに
オレンジ・エクスプレスがある。
ビバップからアフリカやブラジル音楽に行って、その後東海岸の
トップフュージョンメンバーを従えたアルバム。
全体がアレンジのディブ・グルーシンのサウンドになっている。
ジョージ・ベンソンも表題曲に参加。
ずっと日本のジャズを先頭で引っ張って来て
若手も育ってきたので「好きなことをやらせてもらうよっ」
といったリラックスできるサウンドに満ちている。
この路線のアルバムがこの後続くのだが
私は以前のビバップやアフリカ物より
これ以後の“ナベサダ・サウンド”の方がダンゼン好きである。
独断で書けば渡辺貞夫はアドリブプレーヤーよりメロディメーカーかな。
海外プレーヤーとビバップを演ると前のめり気味のアドリブになる。
ステーキにお茶漬けの組合せというか……。
まぁだから「オレンジ・エクスプレス」の路線に行ったのは
なんとなくわかるような気がするし、私はこの路線が好きっ。
最近98年のモントルー・ジャズフェスティバルに出演していたのを
テレビで見た。ずっと第一線で活躍しているのはスゴイ。

「モーニング・アイランド」もディブ・グルーシンのサウンド。
スタッフのメンバーが参加しているので、その音に近い。
最近ではSMAPの山崎まさよしの「セロリ」を聴いて、
こりゃスタッフの音をそのものだと思った。
唄は別としてバックのサウンドがね。

私は鉄道撮影旅行にデンスケを持って行っていたので
愛聴板をカセットテープに入れていくのが常だった。
インドに行くときも、この2つのアルバムをテープに入れて行ったのだが
インドのダージリンで聴く“ナベサダ”は非常に日本的な音に聴こえた。
極端に言えば演歌的というか浪曲的というかフレーズが日本なのである。



↑左端の娘が唄ってくれた


貼られた映画のポスター
ゴッドファーザーが見える


↑バザールでやっていた賭博
サイコロを入れていたから半丁?!

初めにダージリンに行ったとき、TOYTRAINは
ストで動いていなかった。
他のメンバーはニュージャルパグリまで降りて
メーターゲージやブロードゲージを撮影に行ったが
私はダージリン!!動いていなくても機関庫に行ったり
バザールの混沌を楽しんでいた。
名所のバタシャループにも行った。
現地の女性が3人いて、
不思議そうにデンスケを眺めていたので
「唄って……」と言うと気軽に唄ってくれた。
これがものすごく良くて感激もの。
インド音楽に限らず民族音楽は
楽譜に書けない微妙な抑揚や音があって私は好き。
この時の唄もそう。
渡辺貞夫が演奏したらっ、と思うほど。
アフリカやブラジルの次は“インド”がいいぞっ。

デリーのホテルの食堂では
ピアノ、ベース、ギターのトリオ(だっと思う)が
演奏していて我々が入っていくと
日本人とわかるのか「上を向いて歩こう」を
演奏してくれた。
私はもっと他のものを聴きたかったのだが。

最近インド映画がブームだそうである。
インドの映画には必ず唄が入る。
ストーリーに関係なく突然入る。
行く前にそのことを聞いていたので
あちこちでさがしたが現地ではなかった。
帰ってきてから日本でインド映画のビデオを
売ってくれる会社があると知り購入、高かった。
日本にいるインド人向けに扱っているのだろうか。
懐かしやβ(ベータ)のビデオ。

   ←インド映画のビデオがコレ

ダージリンには映画館がないので
教会で夜、映画をやっていた。
ちょうどサタデイナイトフィーバーが流行っていて
バザールのレコード屋にもあった。
たくさん並んだ現地のレコードとは別にあったが
ものすごく高い値段だったと記憶している。



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